ここからは、一つの記事で複数のスローガンを取り上げていきます。
“Think”
命令文の形を取るものはいくつかある中でも、たった一語からなる稀有なスローガン、“Think”。
想定外のトラブル、誰かの挑発的な態度、自分の痛恨のミス・・・安全が脅かされ、恐れや怒りが先走りしてしまう場面において、文字通りこの一言が私たちに考える隙を与えてくれます。
こんな風に「衝動を抑える助けになる」という意味合いで言及されることの多いスローガンですが、殆どの場合、その反応は積極的かつ攻撃的なものとして認識されているように思われます。
アラノンに来たばかりの頃、(その点自分は違う)と感じたことを覚えています。そういった状況に遭うと、私はむしろ固まってしまうからです。
良かったらこちらの関連コラムをご覧ください。
しかしながら、このコラムに書いた私の pretend も、アプローチが違うだけで自分を守ろうとする「反応」にほかなりません。
前回の記事では、“Respond, Don’t React” というスローガンに触れました。「反応ではなく、応答する」ためにまず必要なのは、考ることと、そのための間。
それでは一体何を考えればよいのでしょうか。その考えこそが、アラノンが言う「変えられた態度」の基になるものであり、この先も続く大切なテーマです。こう言うと何やら深い思索をしなければならないような気がするけれど、メンバーの経験を聞いていると、実際はその逆であるようです。
“Keep It Simple”
同じく命令文のスローガン。
シンプルにいきなさい。そう、物事を複雑・大げさに捉えないように、ということ。
アルコホリズムは深刻な病です。しかし、それを自分の力でどうにかしようとすればするほど、土壺にはまってしまう。一方で自分にはできないこと、やらなくてよいこと(四つのC:WE DIDN’T CAUSE IT/WE CAN’T CONTROL IT/WE CAN’T CURE IT/WE DON’T HAVE TO CONTRIBUTE)を思い起すと、私たちの選択肢は自ずと限定されます。これらの原則は、アクティブアルコホリズムとは関わりのない生活においても、多くのメンバーの判断の拠りどころとなっていると思います。
またこれは個人的なもの、もしくは日本人特有の性質によるものなのかも知れないけれど、直接的な物言いを避けようとする私を度々助けてくれるのもこのスローガンです。する・しない、できる・できない、理由・動機・必要性を明言しないことが、相手から時間や選択肢を奪ってきた経験があります。
“First Things First”
やはりよく耳にするスローガン。語呂がいいですね。
目の前に残された選択肢に優先順位を付けることによって、今すべきことはさらに絞られます。まあ理論からすればそうなるわけですが、よく耳にするということは、決して簡単ではないのだろうと考えます。
書籍を開くと、これまで常に後回しにしてきた自分のことをケアする、といった内容の経験が目に付きます。
私には、恐れていることを先延ばしする傾向があります。直近の出来事で言えば、まさに乳がん検診を(何年も!)先延ばしにしていました。もちろん毎年受けていたって見つからない場合もあるし、実際の有様は分からない。それでも、自分の選択がもたらす帰結を重く受け止める機会となりました。
この優先付けも “Keep It Simple”、これまで私たちに与えられた経験と常識がきっと役に立つはず。
というわけで、ブログも大概にして、今日の私のファーストシング、換気扇のお掃除に取り掛かります。
