アラノンの第十ステップ 現実を生き続ける

white bird flying

ステップ10:自分の生き方の棚卸を実行し続け、謝った時は直ちに認めた。

STEP TEN: Continued to take personal inventory and when we were wrong promptly admitted it.

さて、私たちはステップ4で自分側の事実を見つめ、ステップ5で自分の誤りの本質を認め、ステップ6で自分の欠点を取り除いてもらう意欲を持ち、ステップ7でそれを神に求め、ステップ8で傷つけてしまった人たちに埋め合わせをする気持ちになり、ステップ9でその人たちに埋め合わせをしました。

これらのステップは、現実に背を向けて自らの意志でがむしゃらに突き進むこれまでの生き方とは真逆の態度を指し示します。その違いがもたらすインパクトは思いのほか大きい。
見様見真似で取り組む初めてのステップであっても、とりわけ棚卸しや埋め合わせにおいては効果が目に見えやすいものです。私もまさしく自分が新しく生まれ変わったかのように感じました。これが答えだったのだ、と。

ところが、自分が何ら変わっていないことに気がつくまでにそう長くはかかりません。周りの環境も人々もこちらの都合など知ったことでない。待ったなしの現実の中で「自分の欠点を使わない」などという制止力は無いに等しく、恨みとフラストレーションは瞬く間に募ります。

ステップ10は自分自身に偽ることなく、しかし大きなコンパッションを持って取り組まなければならない。How Al-Anon Works はそう述べています。
私たちは人間であり、どうしたって間違いを犯してしまう。ではその時、どうすればよいのでしょうか。ステップ10が求めているのは、「反省する」でも「恥じる」でもない、「直ちに認める」姿勢であります。
私たちはこれまでのステップで行ってきたのと同じように、自分側の事実だけを見つめ、自分の誤りを認めます。神に祈り、必要ならば「機会あるたびに」&「直接」埋め合わせをします。

ステップ4~9で得られた結果が気に入った。だとしたらその結果をもたらす行動を地道に続けていくしかありません。行動なしに結果は得られないからです。

「日々の棚卸し表」と呼ばれるものがあります。読んで字のごとく棚卸しを毎日実行し続けるための表であり、さまざまな形態のものが出回っている中、一番よく見かけるのは項目にチェックを入れながらその日を振り返るタイプのチェックシートです。

アラノンが出している公式日々棚表 Daily Checklist for Myself も然り。そのおもて面にはステップ10の文言が載り、カタログの説明には「日々の棚卸しの助けとなる便利なステップ10シート」と書かれています。

確かにこうしたチェックは棚卸しを継続する上で大きな助けとなり得るでしょう。
けれど「ステップ10」=「一日の終わりの振り返り」ではなく、むしろ一日の流れを通して必要な時にその都度意識して取り組むステップであることに留意しなければならないと思っています。

How Al-Anon Works によれば、ここからが生涯にわたる霊的成長のプロセスの始まりであり、ステップ10はこのプロセスを続けていくための日々のコミットメント。
そしてこの先のステップにおいて、さらに重要なコミットメントが続きます。次回、その一つ目に移ります。