アラノンの第四ステップ(2)ファミリー・クリーニング

black and white bird on roof

先々週末、足の踏み場もないほどに散らかっていた娘の部屋の大掃除をしました。
クローゼットに収まらないくらい物が増えてしまったので、まずは簡易な収納棚を購入。一度すべての物を「教材」「服」「小物」に分けながら部屋の外へ。私が掃除機&雑巾がけをして棚を組み立てる間、娘は分けた物をさらに「捨てる物」「リサイクルする物」「使う物」に分別。ゴミとリサイクル類は所定の日まで物置へ、使う物はそれぞれしかるべき場所に収めて終了。
それから2週間、もうすでに床の上に物が散らばっておりますが・・・それでも物が減って収納先がある分、片づけ易くはなったはず。するかしないかは本人次第ですが。

ステップ4の棚卸しは文字通り、商店などで材料や品物の在庫数を数える「棚卸し」に喩えられています。
その目的は在庫の状態を把握して適正化することであり、地味な作業ながら健全な経営のために重要な業務であると言われています。

掃除に喩えるならば、上に挙げた方式で言えば「一度すべての物を大まかな種類に分けながら表に出し、それらを必要なものとそうでないものに分別する」のところがステップ4に当たると言えるでしょうか。
物を減らして整理することで、必要なものがどこにあるかすぐに分かるようになります。

ステップ4とは「事実を探し求め、恐れることなくそれに向き合うこと」であると、前回の記事に書きました。
私たちが探し求め、向き合う「事実」とは、一体何でしょうか。
How Al-Anon Works によれば、それは現在の私たちを形作っている性格、考えやふるまいのパターン、人間関係、出来事であります。
ステップ1で認めた、手に負えなくなくなってしまった私たち人生の現状。そう言い換えることもできますね。

ずさんな在庫管理はお店の経営悪化につながり、常に散らかっている部屋では快適に過ごすことができないように、プログラムにおいては私たちがこれまでと同じように生き続ける限り、何も変わりません。
私たちの生き方が回復の妨げとなっているからです。それらに光を当てて書き出すことが、アラノンのステップ4の棚卸しです。

どの商売でも、そのお店にとって一番効率的な棚卸しのやり方を採用していることでしょう。掃除に至っては、書店の実用書コーナーに行くと驚くほどに色々な「片付け術」の本が並んでいますよね。
それではアラノンのメンバーたちは、どういったやり方で棚卸しをしているのでしょうか。

How Al-Anon Works は、棚卸しが何であるか、また目的については述べているものの、その方法については触れていません。Al-Anon’s Twelve Steps & Twelve Traditions も然り。
もっとも具体的に棚卸しの例を挙げている書籍は Path to Recovery で、メンバーの経験を引き合いに出しながらさまざまなやり方を紹介しています(以下はその一部)。

・「恐れ」を書き出す
・「恨んでいる人と出来事」を書き出す
・アラノンの四つのM「Mothering(過剰な保護)/Managing(管理)/Manipulation(操作)/Martyrdom(殉教)」に関わる状況、人、出来事が「自分に与えた影響」、「どうしたかったのか」「どのようにアラノンの原理を応用できるか」を書き出す
・アラノンの四つのC「WE DIDN’T CAUSE IT (私たちが原因だったのではない)/WE CAN’T CONTROL IT(私たちはコントロールできない)/WE CAN’T CURE IT(私たちは治すことができない)/WE DON’T HAVE TO CONTRIBUTE(私たちは貢献する必要はない)」を「私のせいだったのか?」「どのようにコントロールしたか?」「私の力によって治すのか?」「自分の行動は問題に寄与したか?」という質問に変え、出来事、状況、人間関係ごとに「自分の行動」「関わっている人の名前」「その人との関係性に与えた影響」「アラノンのツールを使った別の方法」を書き出す

どの方法を使ってもよいと書かれていますが、実際にはほとんどのメンバーがステップ4のために用意された質問に答えていく形式の棚卸しをしていると思われます。
当然のことながら、それらは恐れ、恨み、四つのM、四つのCをカバーしています。
中でも Blueprint for Progress Al-Anon’s Fourth Step Inventory はアラノンのステップ4の代表的な書籍であり、多くのメンバーが活用しています。

次回、このワークブックの内容を見ながらアラノンの棚卸しについてもう少し掘り下げて考えてみましょう。